前回の「最初の10秒が勝負!第一印象で確実に好感を与える6つのポイント」では、主に見た目の部分に焦点を当てて、好印象を与えるポイントについて説明しました。
今回は、相手に好感を持ってもらうだけでなく、さらに一歩進んで「また会いたい」と思ってもらうための会話法についてご紹介いたします。
1. 相手と自分の話す比率は7対3を意識する
初対面の人と会話をするとき、自分のことばかり話していると「自己中心的な人」「協調性のない人」という印象を持たれてしまいます。初対面でいきなり、自分の話ばかり延々とする人に、あなたはまた会いたいと思いますか?誰でも退屈に思うはずです。
だからと言って、あなたが自分の話を何もしなかったら、相手に気をつかわせてしまうかもしれません。また、趣味嗜好や生い立ちなど、個人的な情報を伝えることを「自己開示」と言いますが、片方が自己開示をしないと、もう一方も自己開示をしにくくなることが分かっています。
初対面の人と打ち解けるためには、自分の話をすることもとても大切なのです。そこで、相手とあなたの話すバランスとしては、7:3くらいを意識するといいでしょう。
2. 初対面の人に使える“テッパン”の質問 「適度に整理すべし」を覚えておく
会話の比率を意識するだけでは不十分です。相手が負担を感じることなく、自然と話してもらうためには、質問力を磨く必要があります。
「じゃあ具体的に何を聞けばいいの?」と思うかもしれませんが、実は初対面の人との会話に使える“テッパン”の質問があるんです。
会話の合言葉「適度に整理すべし」
- テ・・・テレビ
- キ・・・気候(季節・気温)
- ド・・・道楽(趣味)
- ニ・・・ニュース
- セ・・・生活
- イ・・・田舎(出身地)
- リ・・・旅行
- ス・・・スキャンダル
- ベ・・・勉強(知識・知的興味)
- シ・・・仕事(バイト)
ここには含まれていませんが、他にも家庭(家族構成)、食べ物(お酒)、流行などもテッパンネタと言えます。他にも「裏木戸に立てかけさせし衣食住」や「たちつてとなかにはいれ」といった会話の合言葉も有名です。検索すればすぐに出てくるので、一度調べてみましょう。
3. 質問をしながら相手との共通点を探し、強調する
相手の心を開くためには、こうした話題をただ質問するだけでなく、相手との共通点を探しだすことが大切です。人は「自分と同じ」「自分と似ている」と感じると、安心感をおぼえ、好意を抱きやすくなることが心理学で実証されています。
いくつか質問を投げかけるうちに自分との共通点が見つかったら、相手にもアピールし、その話題に集中しましょう。
4. 相手が気持ちよくなって話し続けてしまうようなリアクションのプロになる
相手が話しているとき、あなたのリアクションが薄かったら、「話がつまらないのかな」と不安にさせてしまいます。そうならないためにも、ちゃんとリアクションをとって、相手の話に興味があることをアピールしましょう。相手がつい気持ちよくなって話し続けてしまう上手なリアクションをとるポイントは、以下の4つです。
あいづち
相手の話すテンポに合わせてあいづちを打ちましょう。テンポよく話す人であれば早いリズムで。ゆっくり話す人であれば、そのペースに合わせてあいづちを打つようにします。
表情
相手の表情に自分の表情を合わせましょう。相手が笑顔のときは笑顔、真剣な顔には真剣な顔で合わせます。こうすることによって相手は、「親身に聞いてくれているな」と感じるのです。
ボディランゲージ
豊かな表情であいづちを打つだけでなく、身振り手振りを加えながら話を聞くとより一層効果的です。オーバーリアクションかなと思うくらいの表現がちょうどいいです。
感想を伝えるorさらに質問をかぶせる
最後に、相手の話が一区切りついたタイミングで、自分なりの感想を伝えるか、さらに質問を重ねることができれば完璧です。
5. 会話において、やってはいけない3つのNG行動を知る
手クセ・足クセに注意する
自分が話しているときに、相手が髪の毛をいじっていたり、貧乏ゆすりをしていたら、誰だって自分の話に集中してくれていないと感じますよね。ついついクセでやってしまう人は、意識して直すようにしましょう。
相手の意見や考えを否定しない
価値観は十人十色です。会話の中で、自分と異なる意見が出たとしても、相手を否定しないこと。相手の考えに無理に合わせろというのではありません。「そういう見方、考え方もあるな」と、受け入れればいいのです。
すぐにアドバイスしようとしない
もし相手が会話の中で、最近抱えている不満や不安を話し始めたとしても、すぐにアドバイスをしようとしないことです。特に男性はすぐにアドバイスをしたがる生き物ですが、相手も会話のきっかけに話しているだけで、そもそも初対面の人にアドバイスを求めている人なんてそういません。
また、会話において男性と女性では、求めるものに大きな違いがあることを覚えておきましょう。不安や不満を話すとき、男性は「解決策」を求めていますが、女性は「共感」を求めていることが多いのです。
すぐに解決策をあれこれ提案するのではなく、まずは相手の話をしっかり聞き、共感してあげることが大切です。
6. 相手の名前を会話の中に織り交ぜる
お互いの自己紹介を終えたら、「○○さんの出身はどちらなんですか?」「○○さんはその時どう思ったの?」と、相手の名前を会話の中に盛り込みましょう。
相手の名前を呼ぶことによって、親近感が芽生え、心を開いてくれやすくなります。ただし、いきなり呼び捨てで呼んだりしたら「なれなれしい人」と思われてしまうかもしれないので注意しましょう。
7. 適度にアイコンタクトをとる
自分が話をするときであれ、相手の話を聞くときであれ、アイコンタクトをとることは大切です。相手の目を見ながら話をしないと言葉に説得力が生まれませんし、相手の目を見ながら話を聞かないと「自分の話に関心がないのかな」と思われてしまいます。
だからと言って、ずっと相手を見つめていては緊張感が高まってしまいます。そこで、おでこや鼻、口元など、目から10cm程度離れたところを見るようにすると柔らかな印象を与えることができます。会話の重要なポイントのときは、相手の瞳を見るようにしましょう。
8. 最後に感謝の気持ちを伝える
最後、別れ際に感謝の気持ちを伝えましょう。人は誰しも「自分を認めてほしい」「自分に興味を持ってもらいたい」という欲求を持っていて、これを心理学では「自己是認欲求」といいます。
「○○さんと話せて今日はとても楽しかったです」「○○さんの△△の話、すごく刺激になりました!」と言われたら、ついつい嬉しくなってしまいますよね?気持ちをストレートに表現するだけで、効果は絶大です。
まとめ
「最初の10秒が勝負!第一印象で確実に好感を与える6つのポイント」で説明したように、最初の段階では見た目が非常に重要な要素になりますが、「また会いたい」と思ってもらうためには、会話のテクニック、特に『聞く技術』が必要不可欠です。
読むだけだと簡単に実践できると思うかもしれませんが、ここまで説明してきたことは、一朝一夕で身につくものではありません。しかし、日頃から友人との会話で練習をしておき、意識せずとも自然と実践できるようになれば、あなたの交友関係は素晴らしい広がりをみせていくことを保証します。